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「インド北東部の特異な服装 -ナガランド州、アルナーチャル プラデーシュ州」
2015年1月8日 - 3月28日

 ナガランド州、アルナーチャル プラデーシュ州(以下 アルナーチャル)はインドの最北東に寄り集まっている7州(俗にセブンシスターズと呼ばれる)の中で、東部をミャンマーに接しているのはナガランド州、北部が中国と繋がっているのがアルナーチャル プラデーシュ州です。それぞれ人種はモンゴロイド系で、文化もインド人とは全く異なる暮らしや宗教を持つ人々です。
 ナガランドは第二次世界大戦後、独立国家を目指していましたがそれは果たせず、1963年にインド領になりました。その後長い間、旅行者の入国は閉ざされていました。アルナーチャルも中国の侵入問題があり、同様でした。デリーの骨董屋の店先で初めて見た、黒地に子安貝を使って円文を描いた大胆なナガ族のショールは首狩りをした者のみに纏えるショールで織も緻密で、カラフルなビーズ、真鍮、貝、めのうを使ったユニークなネックレスなど、この異色の服飾品は、代々受け継がれ使われてきたもので、本物を目にして驚き、ナガランドへの憧れは増す一方でした。
 一方、アルナーチャルの仏教徒、モンパの人々は野蚕のエリシルクをラック(カイガラムシ)で燕脂に染め、色糸で文様を縫い取った上衣をデリーの店で見かけ、次に東ブータンの路上でたまたま出合った遊牧民、ダクパの人々も同じものを着ていました。更に同じ服装の人々がアルナーチャルにも居ることを知り、今回の講師でもあるモンパの研究者の脇田氏に同行させてもらい、モンパの服装の全貌を見ることができました。
 ナガランドの人々は聞くところに寄ると、インド洋を渡ってミャンマーに着き、更に北上し、現在の海抜2000mを越す高地で自給自足に近い暮らしをしていましたが、織物や装身具作り、見事な住居作りに卓越していました。現在でも奥地は電気すらないところもあるようです。表紙のエレファント文様の肩掛けは、低地に住むナガの人たちのもので、手織り地に象や蝶、抽象文を刺繍した肩掛けです。造形力の素晴らしさに驚きました。
 最近は、デリーのブティックやお店でナガランドやミゾラム出身の女性が働く姿をより多く見かけるようになりました。