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「インドネシア 僻地の手仕事 - スマトラ島、ティモール島など」

2019年8月1日 - 11月9日

  インドネシアは大小何千という島々から成り、染織の宝庫とも言われます。今展では土着の手仕事を中心にスマトラ島、ティモール島、その他ヌサ・トゥンガラ諸島のテキスタイルを紹介します。  スマトラ島はインドネシアの西端に位置し、マラッカ海峡を臨み太古より交易で栄え、文化の交流も盛んに行われました。島の内部では様々な部族に分かれ住み、それぞれ特徴の異なる染織品が見られます。島北部、トバ湖周辺の山岳地域に居住するバタックの藍絣や、島南端に住むランプンの繊細な織柄に金銀糸やミラー刺繍が美しい衣装等、多彩な染織品が並びます。

 スマトラ島から東に2000km、ヌサ・トゥンガラ諸島の東端に位置するティモール島は、1950年にインドネシアの一部として独立以降、それまでの公国制度下の模様や色の制約が徐々に緩み、創意工夫に富んだ布作りが盛んに行われました。動物や人物の素朴で独特な絣文様、また、アンデスの古代染織にも似た綴れ織技術で織られた帯など、興味深い布が生み出されます。オランダ等から輸入された糸が庶民の手に渡ったこともあり、独自の染織の発展を遂げたのです。

 生産性からは距離を置いた生活、伝統に縛られない柔軟な思考で生み出された布からは、手仕事のもつ温かみの中に、思いがけない色や形の組み合わせが発見できます。プリミティブなエネルギーに溢れ、現代に生きる我々に新鮮な刺激を与える「僻地の手仕事」をご覧ください。